ゴーダーヴァリ級フリゲート(ゴーダーヴァリきゅうフリゲート、英語: Godavari-class frigates)は、インド海軍のフリゲートの艦級。インド海軍での計画番号は16型。
設計
インドでは、1966年より、イギリスのリアンダー級の設計に基づくニルギリ級フリゲートの建造に着手し、1972年から1981年にかけて6隻が就役した。本級は、これを元に船体を拡張するとともに、装備を強化した発展型となっている。船型は中央船楼型に変更されるなど、インド国内で再設計された部分は全体の72パーセントに達した。なおネームシップでは、重大な溶接ミスが指摘された。
主機関はニルギリ級と同構成で、ボイラーはバブコック・アンド・ウィルコックス社製の三胴式、蒸気性状は圧力550 lbf/in2 (39 kgf/cm2)、温度450℃である。蒸気タービンはリアンダー級幅広型以来のY-160型が踏襲されており、ボーパール・エンジニアリングによって生産されて搭載された。なお安定化装置として、ヴォスパー社製のフィンスタビライザーを装備している。
装備
C4ISR
本級は、インド軍艦として初めて、戦闘システムのデジタル化を図ったシステム艦となっている。その中核となる戦術情報処理装置としては、イタリア製のIPN-10が搭載された。
センサーは、多くがニルギリ級のものや、その国産化版が搭載された。対空捜索用としては、バーラト社製RAWL-02(LW-02または08のインド版)、対水上捜索および航海用としてはZW-06が搭載された。ただし本級では、同時期に整備されていたラージプート級駆逐艦と同型のMR-310U「アンガラーM」3次元レーダーが搭載された。これは就役後、個艦防空ミサイルの換装に併せて、イスラエル製EL/M-2238 STARレーダーに換装されている。またソナーも、当初はニルギリ級と同じく、イギリス製の184型が搭載されていたが、のちに、同級の「ヒムギリ」で試験されていた国産のAPSOH(Advanced Panoramic Soner)に換装された。
武器システム
防空・対艦兵器に関しては、1970年代にソビエト連邦から購入したドゥルグ級コルベット(1234型小型ミサイル艦)のシステムが導入された。P-15M「テルミートM」艦対艦ミサイルの単装発射機4基が船首甲板に搭載されたが、同ミサイルが大きかったため、両舷に張り出しが設けられた。
船楼甲板前端部の甲板室には、4K33「オサーM」個艦防空ミサイルの昇降式連装発射機が設置された。また艦砲として75口径57mm連装速射砲(AK-725)、CIWSとしてAK-230 30mm連装機関砲が搭載された。その後、個艦防空ミサイルはバラク-1のVLS(8セル×3基)、艦砲は62口径76mm単装速射砲(76mmスーパーラピッド砲)、CIWSもAK-630 30mmガトリング砲へ換装されている。
対潜兵器は、ニルギリ級と同じILAS-3 324mm3連装短魚雷発射管を装備したが、同級で装備されていた対潜迫撃砲は省かれた。
最大の変更点が航空艤装の強化で、船楼後半部は、船幅全体を使って、シーキング・ヘリコプター2機を収容できるハンガーとされている。ただし大型の同機を2機搭載すると、トップヘビーから復原性の低下をきたすことから、通常は、1機分はより小型のフランス製アルエットIII、あるいはそのライセンス生産版であるチェタクとされている。ヘリコプター甲板にはベアトラップ着艦拘束装置およびSAMAHE機体移送装置を備えている。
同型艦
脚注
外部リンク
- GlobalSecurity
- BHARAT RAKSHAK


