オオゴムタケ(大護謨茸、学名: Trichaleurina tenuispora)は、ピロネマキン科トリカレウリナ属の中型のキノコ(菌類)。子実体の中はゼラチン質で、ゴムのような弾力があり、食用もされている。

分布・生態

世界中の温帯から熱帯にかけて分布する。

木材腐朽菌(腐生菌、腐生性)。初夏から中秋にかけて、里山など雑木林のミズナラ・コナラ・クヌギ・カシ類などの広葉樹の朽倒木、切り株などの上に単生または群生する。ときにシイタケ栽培のほだ木や伐採された丸太からも発生する。本種の菌糸が広がった木材はかたくなり、黒く変色する。水分を含んだ材に発生する率が高いとも言われる。

形態

子実体(子囊板)は暗褐色から黒褐色で、半球形から倒円錐形で、はじめの若い時期はほぼ球形をしているが、生長するにつれて半球形になり、上部が丸く凹んで臼形なり、その孔が広がり平坦な面が現れる。子実体の径は4 - 7センチメートル (cm) 、高さは3 - 4 cmほどになる。成菌になると子実層(臼の内面)は平らかわずかに凹んでおり、黒色か黒褐色に変色する。その外側の表面は灰褐色で、綿毛のような菌糸が密生している。

組織内部は薄い灰色で、透明なゼリー状をしたゼラチン層がある。肉はゴム状の弾力があり、新鮮なときは著しく肉厚で無味無臭。

子囊胞子は青色を帯び、青く染まるイボ状突起がある。

利用

新鮮であれば、皮をむくと半透明の寒天質の肉が現れるので、このゼリー部分を軽く茹でて食することができる。肉はこんにゃくのような弾力があり歯切れが良い。食べるときは口当たりが良くない外皮を剥ぎ取り、さっと茹でてから酢醤油、マヨネーズ和え、酢味噌和え、汁物などにする。黒蜜やシロップをかけて冷やしたデザートにするとよいといわれる。

類似種

同じ仲間のキノコに、ゴムタケ(Bulgaria inquinans、ゴムタケ科)がある。

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 秋山弘之『知りたい会いたい 色と形ですぐわかる 身近なキノコ図鑑』家の光協会、2024年9月20日。ISBN 978-4-259-56812-2。 
  • 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編著『日本のきのこ』(増補改訂新版)山と渓谷社〈山渓カラー名鑑〉、2011年12月25日。ISBN 978-4-635-09044-5。 
  • 大作晃一『山菜&きのこ採り入門 : 見分け方とおいしく食べるコツを解説』山と渓谷社〈Outdoor Books 5〉、2005年9月20日。ISBN 4-635-00755-3。 
  • 瀬畑雄三 監修、家の光協会 編『名人が教える きのこの採り方・食べ方』家の光協会、2006年9月1日。ISBN 4-259-56162-6。 

関連項目

  • ゴムタケ

オオゴムタケ

オオゴムタケ

オオゴムタケ

オオゴムタケ

くさびらじかる on Twitter